
当方、賃貸住みなのに、突然、自宅の屋根にソーラーパネルを無料で付けませんかという電話が掛かってきた。一応、節約につながる話だから、副業というよりFIREへの道のカテゴリで話を書いてみることにする。
突然の電話営業
いわゆる「0円ソーラー」というやつらしい。
いまどき、マンション暮らしの人も増えているはずだから、わざわざ一戸建て住まいの人を狙って電話をかけているのだろうか。私は携帯キャリアがAUなので、KDDIの関連会社に情報が流れ、おうち発電所というサービスの勧誘を受けたようだ。
当家は賃貸住みだから、と説明したら営業電話は途端にジ・エンドなのだが、興味があったので、最初からそれは言わずに多少説明を聞いてみることにした。
最近の電話営業手法として、営業する側が、潜在的顧客である相手側にいろいろ質問をしながら条件に合うかどうかを診断して、「獲物だ」と思ったらグイグイ営業するスタイルがはやっているようだ。今回はこちらがそれを利用していろいろ聞き出してみた。
要するにこういうこと
電話や、公式サイトの説明をまとめると、どうやらこういう感じらしい。
①戸建て住宅の屋根をタダで貸してもらえれば、太陽光パネル設置工事・メンテナンスは業者が自分たちでやる(家のオーナーの初期・継続費用負担ゼロ。東京都の補助金利用)。
②太陽光パネルで得られた電力(売電収入)は業者のものになるが、家のオーナーへは、屋根で発電した電気を売ってくれる。通常の電気料金から10%OFF。
③災害等による停電で通常の電気供給が止まったときは、太陽光パネルの電力で生活できる。
④このスキームを最低15年間で契約する。
と聞くと、メリット尽くしのように見えそうだが、本当にそうだろうか?
これって、形を変えたESCO事業ではないのだろうか。
お役所でも大ブームが起きたESCO事業との類似性
ESCO事業とは、照明のLED化など、施設などの大規模な省エネ改修を行うことで、巨額の電気代が長期間にわたり削減されることを見込んで、削減で浮く金額より少ない費用で新設備への改修・運用を行う事業をいう。確か環境省も推していた気がする。
投資額<減額幅 つまり、投資しなかった場合に払い続ける電気代より投資額の方が安く済むので、施主にとってもメリットがあるWIN-WINな仕組みだ。
役所で行われていた例でいうと、膨大な数がある地域の街路灯をLED化することで馬鹿にならない電気代を削減できる効果を見込んで、取替工事を行った(取替工事代より電気代削減額の方が大きく、経費削減になった)、というような話だ。
一方、0円ソーラーは、省エネに動くESCO事業とは逆の「創エネ」に動くものだが、施工業者は売電することで設置・運用費を回収し利益を上げつつ、家のオーナーにとっては実質的に新たな負担なく(パネルの設置を受け入れるだけで)、日々の電気代が安くなるという意味で誰も損しない。だから、形は違うがESCO事業と同じ作りのスキームといえそうだ。
なお、このスキームの肝(マジック)は、業者にとって、太陽光パネルの設置場所をタダで借り続けられることと、諸経費に東京都の補助金が入ること。これなくしては、このスキームは成立しない。
だが、そのマジックには、やはりカラクリがあることに気づく。
ESCO事業のようにみんながハッピーにはなれないおそれ
断言することはできないので、あくまで「おそれ」と断っておくが、おそらく0円ソーラーを導入した家のオーナーはハッピーにはなれないと思う。
その理由だが、0円ソーラーの最大の弱点は、15年~(機器が無料で維持されるのは15年間まで。その後、契約自体は更新・延長可能)の期間中、家のオーナーは、電気料金の割引を受けられるだけで、それ以上の売電収入は一切ないということだ。
このサービスの紹介ページにあるモデルケースを見る限り、1年間の割引額は1万円程度。正直いって少ない。仮に15年、壊れずに、気象も安定して、順調にいったとして、それでもせいぜい15万円のメリットにすぎない。
私には、どこまで順調にいってもたった15万?としか思えないが、みなさんはどうお考えだろうか。
契約期間が過ぎれば、設備を自分のものにして、すべての電気を自宅用、余ったら売電して稼げる、とも言われている。しかし太陽光パネルの劣化の影響で発電量は落ちるだろうし、どんなに頑張っても20~30年後に必ず撤去(次の設置)が必要になるということを忘れてはいけない。で、その費用は当然自分持ちになる。
はたして、撤去時に投資は十分回収できているのだろうか?
いや、その表現は正確ではない。
0円ソーラーでは初期費用が0だったのだから、先行投資はゼロだった。
逆に、エグジット時に処分経費が掛かるので、それを十分ペイできるだけの収穫が先行して得られたか、という話である。
現時点でも、ソーラーパネルの撤去・処分費用は15万円程度とする記事がある。
こんにちは!「太陽光発電と蓄電池の見積サイト『ソーラーパートナーズ』」記事編集部 […]
一方で、25万円~はかかるという意見もある。
住宅や工場など、さまざまな場面で使用されている「太陽光発電」。ソーラーパネルを設置して太陽の光を使用するため、長期間にわたって繰り返し使え、自然にも優しいメリットがあります。そんな太陽光発電ですが、ソーラーパネルを撤去したい人もいるのではないでしょうか?本記事では、太陽光パネルやソーラーパネルの撤去費用について解説していきました。ソーラーパネルの撤去を考えている場合、まずは専門業者に相談して費用を確認しましょう。そして、適切な撤去手順や方法でソーラーパネルの処理をしていきましょう。
いまどき、あらゆる費用が値上がりしてるので、こればかりはその時に見積を取ってみないとなんとも言えないよね、、、。
仮にいまから15年後だとして30万とかは普通にかかると考えたほうがいい。そうなったとき、処分費を超えるメリット・利益が果たして得られているのか、、、。
賃貸不動産オーナーが、借り手の入れ替わり時のリフォーム費で家賃収入がぶっ飛ぶという話をしていたが、まさにそれと同じことである気がするね。
このように考えると、目先のわずかな電気料金割引に目がくらんで、0円ソーラーになど手を出すことはおすすめできないのである。屋根の上に、本来なら無くてもよい、それなりの重量のある構造物が乗ることも、地震による建物倒壊という観点からはリスクでしかない。
個人はリスクばかりを負い、儲かるのは結局業者ばかりというのは、他の不動産投資でも聞いたような話であるが、やはりこうなってしまうのだろうか。
ま、ウチは賃貸戸建て暮らしなので、この電話勧誘はお断りして終わったのだけれど、みなさんはくれぐれも慎重に御判断ください。
なお、サムネイル(ページトップ)の写真は、太陽光パネルの上におねーさんが立っちゃってるけれども、これはAI生成画像なので、おもいっきりハルシネーションが起きちゃったわけで、突っ込みなしでよろしくお願いします(笑)。