私はこれまで、公務員の副業としての不動産投資について否定的な投稿を続けてきました。しかし、そればかり言い続けていると、不動産投資賛成派の方から、考えが偏っていると言われそうです。当サイトとしては、あくまでフェアでオープンな主張を展開していきたいと考えているので、ここで不動産投資を勧める本も1冊紹介しておきましょう。

 悪徳不動産業者の手法を告発する「不動産Gメン」としてYouTube発信を続ける滝島一統さんの書かれた『誰でも儲かる、わけがない 初めての不動産投資必勝ルール 罠を見抜いてお金を増やす』です(下記画像は楽天ブックスへのアフィリエイト広告リンクとなっております)。

 不動産投資を勧める本でありながら、私がこの本を納得して紹介できる理由はただ1つ。アクセルだけでなくきっちりブレーキも用意されているからです。

 詳しくは読んでいただきたいのですが、単に投資を煽るだけの本とは異なる点は以下の3つです。

  • 不動産投資に失敗すると人生がどのようになるのかをしっかり指摘している。
  • 成功する物件の条件はかなり厳しく、今この瞬間に自分の目の前にそういう物件が飛び出してくる可能性は稀なこと(時機を待つことの重要性)を丹念に説いている。
  • 金融機関や地元の不動産屋に足しげく通って、人脈を築いたからこそ融資も通るし、良い物件の情報も手に入るということも丹念に説いている。

 要するに、楽してできる不動産投資などない、ということを実感させてくれる良書だと思います。この本を読んで十分理解した上で不動産投資に踏み切るなら止めはしません。ちなみに滝島氏は、よくあるワンルームマンション投資には懐疑的で、本書では住居より商業物件、1部屋より1棟単位での投資を勧めています。本当にそれが絶対法則なのかは各読者の判断に任せたいですが、彼の主張には一定の説得力があることは間違いありません。

 本書を読めば、投資で成功する可能性の高い物件選びのルールは理解できるものの、結局のところ、そんな都合のいい物件は、そこいらに転がっているワンルームマンション物件に比べると明らかに希少であり、簡単には見つからないのです。その意味で、逆説的で恐縮ですが、次の3つの理由で、やはり公務員には不動産投資は向かないな、と私は思ってしまいました。

  • 融資が受けやすいため、ダメ物件に誘導されやすい。
  • 公務員という地位がなせることかもしれないが、悪徳不動産業者が寄ってきやすい。
  • 公務員の場合、不動産投資の年間家賃が500万円以上になってはいけないルールがあるため、せっかく一棟買いすべきいい物件を見つけても手を出せないかもしれない。あるいは、2軒目、3軒目と拡大できない。

 もちろん、キャッシュフローが確立した段階で役所なんて辞めちゃえばいいんだよ、ということなのかもですが、そうはいってもね、と思ってしまうわけです。

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