前回まで、不動産投資はお勧めしないとさんざん書いてきましたが、では公務員の投資系副業として私がお勧めしたいものは何かというと、金融商品です。
ただし、一概に金融商品といっても幅広く、株式、投資信託、FXなど様々な種類があります。それぞれに特徴(メリット・デメリット)があり、それによって、投資する人の好みや得手不得手が出るので、このサイトを含め、インターネット上の様々な情報を参考にして、みなさん一人ひとりが自分に合ったものを選んでいただければと思います。
そんな中で、私の好みをご紹介しておくと、実は株式投資一択です。
一般論として、投資というのは特定の商品に偏らず、幅広く分散投資すべきとおっしゃる方が多く、私の考えはその流儀には明らかに反しています。しかし私にはあるポリシーがあって、FXや投資信託は好みに合わず、この投稿時点では、もっぱら株式一辺倒です。そのポリシーを読んで、共感する方もいれば、しない方もいるでしょう。あくまで1つの考え方としてお読みいただければと思います。
投資の本質とは
ポリシーの説明に入る前に、1つ違う話をします。
世の中で投資をしている人は多くいますが、そもそも投資の本質というか、自分にとって投資というものがどういうものであるかをしっかり考えながら行っている人は意外に少ないのではないかと私は考えています。
そして、各人が自覚しているかどうかに関わらず、投資というものに対しての考え方は、以下の2つに分かれるというのが私の持論です。
- 投資はあくまで資産を増やすための手段に過ぎず、お金が増えるという結果を除く、投資活動自体には楽しみはない。
- 投資は資産を増やすための手段であるだけでなく、投資活動自体を楽しむものである(投資自体が目的でもある)。→「投資が趣味」と言える人。
ちなみに私にとって株式投資は副業であるとともに、かつ趣味といって差し支えないものであり、2.といえます。
これが1.の立場になると、儲かる方法を聞き出して、それを粛々と実行し、ほったらかして資産形成できたらベスト、ということになりやすいです。
楽して不労所得が欲しい(買うまでは大変だけど後が楽だ)から不動産投資に手を出す人というのは、1.の傾向が強いのではないかなと私は思います。
投資する以上、誰だって損はしたくないのはもちろんですが、2.の視点で、損もするけど得もする、時に「授業料」を払うことがあっても全体を楽しみつつ、少しでもプラスになればいい、くらいの姿勢で臨めるのが私には合っています。皆さんはいかがでしょうか。
投資を「趣味」と呼べるということ
これって、まさに「趣味」とは何か、という話に立ち返ることになると思うんです。
全然違う話ですが、たとえば「盆栽」ってありますよね。他の人から見ればただの鉢植え1つにしか見えないものですが、好きな人にとっては、手間暇をかけることがたまらないみたいですね。俺がこの木をこういうふうに育てたんだ、って。ほっておいてただ鑑賞するだけじゃないんです。趣味というのは、こだわりや手間暇あってのものだと思うんです。
旅行に行く際も、旅行そのものよりも、事前に調べて計画している段階が楽しい、っていうじゃないですか。それも手間暇を楽しむという意味で似ているかもしれませんね。
いくつかたとえ話をしてみました。そう、お金を増やすのも、ほっておいて増える不労所得ならたしかに楽なんですけど、それってつまらないというのが私の感覚でした。程度の問題はあるけど、自分である程度研究して決断して、他の人が気づいていない銘柄を事前に買い込む(仕込みといいます)。それが値上がりしてそこそこ儲かる。それこそが投資妙味なんていわれたりするわけです。うまくいって儲かるのが楽しい。半面、失敗すると悔しいし、また頑張ろうという気になるわけです。株式投資にはそういう要素があります。
ギャンブルでいえば、ある程度事前の研究がモノをいい、レースの観戦も醍醐味になっている公営競技(競馬、競輪など)は、その意味で近いかもしれません。
これを裏返すと、私が他の金融系投資を好まない理由の説明になります。
まず投資信託ですが、これは結局、最初の時点で、銘柄のグループを調べて選んで決断するプロセスはありますが、その先は、プロに運用を託すことを意味します。要するに相手を信じるしかない、ほったらかし投資です。楽と言えば楽ですが、私なら、人任せにして運用成績が悪かった時に納得がいくかな、、、?という気がします。
外国の投資信託も多く売られていますが、為替要因も絡んできてより運任せになってしまいますし。
それに比べると、国内株は自己責任度合いが高いといえます。自分に自信がある人、自分のやったことなら失敗しても仕方がないと思える人、お勉強好きな人(公務員には多いのでは?)には向いていると思えるんですよね。
次にFXですが、為替の上げ下げって、予想できるようで予想できないんです。なぜなら、株式のようなミクロな企業活動の話ではなく、無数の企業活動や貿易収支を足し上げていき、さらに国と国の金融政策まで絡んでくるマクロの話だからです。まさに人知を超えるもので、研究しても無意味とさえ言えるような博打の世界だと私は思っています。なので、それを追求しだすと、とでもじゃないですが、趣味のレベルで楽しみながら投資をするという気分には、私はなれません。
ちなみに、そんな私も10年ほど前、FX(外国為替証拠金取引)のシステムトレード(ルールを決めた自動取引)というのをやったことがあります。よくある話ですが最初ちょっと儲かって、そのあと10万円ばかり損が出て、結局止めました。損をしたから嫌だったというより、放置プレイに張り合いが感じられないと思ったからです。
ということで、私が導き出した結論は、趣味として、程よい程度に「ほったらかさない投資」をするということです。ただ、そうはいっても、ほったらかさない程度(投資に対する手間の掛け方・世話の焼き方)については、本業や、仕事以外の日々の生活に支障をきたさない程度に張り合いがあるくらいにしなければなりません。
仮にこれが、支障をきたすレベル(仕事中やそれ以外の日中に保有資産の価格変動が気になって仕方がなくなり、取引画面を見て、状況によっては取引をしてしまう状態)になってしまったら、職務専念義務的な問題ももちろんありますが、そもそも精神衛生上アウトでしょう。
価格変動が激しかったり、取引数量(ギャンブルに例えると「掛け金」)が多いと、多くのお金が動くので、どうしても気になりがちです。でも投資というのは、そうならない程度でコントロールしないといけません。たとえると、アルコール中毒にならないような飲酒量を守る、みたいなものでしょうか。
まさに「嗜み」なのだと思います。そんな境地に興味を持った方に、株式投資の魅力というものを、これから紹介していきたいと思います。