
先日、紹介したゴルフ漫画・アニメの「オーイ!とんぼ」。
先日、小旅行に出た先のホテルでテレビをつけていたら、「オーイ!とんぼ」というゴルフアニメをやっていた。でも見たのはほぼ最終回。で、面白そうなので、第1話から見てみることにした。ありがたいことに、株主優待を使って無料で見ることができるU-NEXTのおかげで、アニメの全話はすぐ見ることができた。なかなか泣ける作品ですよ。しかもこのアニメは、ゴルフ雑誌に連載されているマンガが原作であるという。そっちも読んでみたくなった。オーイ! とんぼ 第1巻【電
アニメだけでなく、インターネットで有料会員登録して漫画も読み始めた。非凡な才能を持つゴルフ少女の成長物語が基軸となるストーリーと、登場人物のキャラ設定が非常に洗練されており、食い入るように読んでいく。
その中で、これは、と思うシーンがあった。主人公(大井とんぼ)の居候先であるゴルフ練習場の経営者の娘で、主人公が敬愛する女子プロゴルファー(有働二子女)が、なかなかツアー初優勝に届かず思い悩む中、主人公に刺激されてスイング改造を行い、プロ初優勝を遂げた後のやり取り。
セリフの文章だけだと臨場感が伝わらないので、著作権法上の引用とみなせる範囲でコマを紹介する。



今の会社(役所)に居続ければ もらえる給料や どれくらいのポストまで行けるか
厄介な同僚は誰か 注意すべき上司は誰か なんてことが見通せる それって安心でもある
だけど転職すれば 収入が上がるかもしれないし 下がるかもしれない
心を病むほどの人間関係に見舞われるかもしれないし
いまの職場よりもずっと心地よい人間関係に恵まれるかもしれない
つまりすごくいいことも起きるかもしれない代わりに
ものすごく悪いことも起きるかもしれないって見通せないわけそれって不安だよね 怖いよね だったら変わらずいまのままでいようって思考になる もしくは思考することを放棄してしまう
作:かわさき健 画:古沢優「オーイ!とんぼ」第338話 自分次第(単行本37巻収録)
プロゴルファーって、たぶん一般就職せずにゴルフ漬けの人生を送ってきてるんで、転職を想像して語っているところは少し現実離れしている気もしなくもない。ただし、そこはファンタジーとして、突っ込んじゃいけないところだ(突っ込みたくなるあたりがいかにも腐ったサラリーマンだなあと自己嫌悪…)。
ゴルフでは、スイング改造に取り組むのは一大事。失敗すれば簡単に元に戻すこともできず、それこそ競技人生の危機と言える。この話では、それをやってツアー初優勝という結果をもたらした。
転職も同じ。成功するか失敗するかは、転職してみないとわからない。仕事の相性も、人間関係も、それは本当に事前予測不能だ。失敗したと思っても、前の会社に出戻れることは(ごくまれに可能な人もいるが、)普通はない。だから、転職とは、自分を信じて動くか動かないか。
不満はあれど、リスクを避けて動かない人生。あるいはリスクを取って動く人生。
まあ、こういう漫画(エンタメ)は現実と違うので、感動する筋書きになってるから、必ず(動いてみて成功するという)救いがあるんだけれども、この数ページを読んで、本当に痺れたよ。
なぜなら私は今、本業で、(体調を崩すほどじゃないけど)仕事の相性で結構苦しんでいて、異動するか辞めるかを悩んでいる。年齢的に転職は厳しいと思うので、起業かFIREしか選択肢がない。
この漫画を読んでいると、このシーンだけでなく、随所に痺れるところが出てくるんだが、ゴルフ漫画で、ゴルフ以外の場面(セリフ)で、世のサラリーマンたちを痺れさせるストーリーが書けるのは、本当に原作のシナリオが洗練されているとしかいいようがない。
本当に驚きだよ。