サイゼリヤショックが物語る、株式投資のセオリー破壊

FIREを目指した倹約生活のため、株主優待を活用して外食費を浮かす

株主優待の獲得が目的で、株式投資を行う人は多い。私自身、FIREを目指す者として、飲食代を節約するため、外食産業の優待の権利はけっこうゲットしている。

中でもイタリアンレストラン大手のサイゼリヤについては、夫婦で1000株ずつ保有して、年間4万円の株主優待(500円割引券×80枚)を得ることを近年続けてきた。この銘柄は優待権利取りが8月末(つまり、8月末までに1000株ずつ買い集めないといけない)のため、ここ1カ月ほど、少しずつ買い増していたところビッグニュース、いやバッドニュースが飛び込んできた。

それは、サイゼリヤがこの夏をもって、もとい、昨夏をもって突如優待をやめるという話だ。

ただ、この話、なんとも後味が悪い。というのも、通常、株主優待を改悪・縮小する場合、ある程度前もって予告があり、基本的には「次の優待が最後」という予告期間を設けてから改悪・縮小することが多い。そうしないと、不意打ちだと言われ評判が悪いからだ。

ところが今回、サイゼリヤはそんな批判を恐れず、前回(令和5年8月)の優待付与をもって制度を廃止する、つまりこの8月の優待は出さないと決定し、直前に通知してきたのだ(冒頭写真参照)。

これには市場も混乱し、いったんは個人投資家による失望売りが出たのだけれど、数日後から株価は上昇基調に。いやむしろかなり上がってきた。

なぜなら、実はサイゼリヤという会社は、もはやグローバル企業だからである。

物価高騰の中、なぜサイゼはメニューを値上げしないのか?とよく言われるが、海外の儲けで国内の事業を支えているため、値上げしないですんでいるのだ。いいかえれば国内より海外の方が、儲かる事業をしている。そんな中、日本国内在住者にしか役に立たない株主優待券の発行は、労多くて益少なしということなのだろう。優待をやめて配当で還元するという試みが、市場には好感されたのだ。

サイゼリヤの優待廃止で株価が上昇したのを見て、同業他社はどう動く?

一方、そのお祭り騒ぎを見て気が気でないのが、上場している他の外食各社だ。

私自身、サイゼリヤのほかに、吉野家、丸亀製麺(トリドール)、王将、すかいらーくなどを優待目当てで保有している。だが、今回のサイゼリヤの成功例(?)を見て、外食産業の中で追随が始まったらと思うと、何とも複雑な気分になってしまうのである。

株主優待はFIREを加速する切り札、と思っていたが、そう甘くはいかない時代が号砲を鳴らしてしまったのであった。

世の中を見ると、おいしい株主優待のために株式投資を始めよう、という情報があふれている。今後、どんどん縮小が進むかもしれない中で、残り時間は多くない。しかし、だからといって指をくわえてみているのももったいないのではないか。

今からでもまだ遅くはないので、自分も株式投資を始めてみておいしい思いをしたい!と思っている方。今ならまだ間に合うし、今の証券会社は取引手数料も無料だから、本当にお得。もしよければ、下記の証券会社で口座を開設してみてはどうだろうか。

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