公務員の副業に不動産投資をお勧めしない理由①

はじめまして。「合法副業.com」に寄稿させていただく仮名止(かなどめ)といいます。投資系副業に関する初投稿となります。

 このサイトを始めるにあたり、発信したいことはたくさんあります。そんな中で、合法副業を考える方々に最初に伝えたいことは何か、熟考しました。その結果、

一般的には公務員の合法副業の筆頭格とされる、不動産投資こそはお勧めできない

という記事を書きたいと思うに至りました。

 なんと逆説的な、と思われるかもしれません。なにせ、公務員の合法的副業として、古くから知られているのが不動産投資なのですから。

 このサイトにたどり着いた方に、不動産投資とは何かについて、改めての解説など不要かと思いますが、念のため説明しておきますと、賃貸に出すことで賃料が得られる不動産物件を手中に収めて定期的に収入を上げたり、物件売買(要するに安く買って高く売る)で差額を儲けるということです。

 具体的には、親の遺産を相続して不動産オーナーになる場合のほか、自ら投資用物件を購入して投資を始めるケースも少なくありません。

 後者のわかりやすい例に挙げられるのがワンルームマンション投資ですが、これは簡単に言うと、ローンを組んでマンションを買い、返済を行いながら他人(法人の場合もある)に貸し、賃料収入でローン(元本+利子)を返していくというものです。返済中、仮に家賃収入がローン返済額を下回って一時的に赤字になったとしても節税になるメリットが強調されるとともに、しかも最終的にマンションが資産として残るので収支プラスになるという説明をされることが多いです。

 が、お勧めしないことを宣言している以上、このサイトでは、不動産投資を合法的に行う方法についての解説は行いません。やり方に興味のある方はぜひググってください。いくらでも出てきますので。

 とはいっても、まずはその前に本記事をお読みいただき、それでもやろうと思うならばですが…。

 では、さっそくですが、お勧めしない理由を説明していきましょう。

金融商品と比べて不動産はリスク管理が難しいこと

 まずはじめに、不動産に限らず、あらゆる投資にはリスクがつきものであり、リスクなきリターンというものはありえないということを確認しておきましょう。投資である以上リスクはゼロにはできないので、大事なことは、どのようにリスクをコントロールし、リスクをいかに少なくできるかということになります。

 その観点でいうと、不動産投資というのは、証券化されて株のように取引できるものなら別ですが、少なくとも実物の土地建物だと、金融商品(例えば株式)の投資と比べて、とにかくリスクコントロールがしづらいのです。それこそが、不動産投資をお勧めしない理由です。

 よく、公務員は本業の所得が安定しているからローンも組みやすいし、投資でそれなりに損が出ても生活が崩壊することはないから不動産投資をするのを恐れる必要はない、という意見も聞きますが、リスクの高さを公務員の安定性でカバーしようなんて、投資という意味では本末転倒ですよ。

 では、不動産投資では、どのようなリスク(投資したお金を回収できない、損失が発生する要因)が考えられるのかを簡単に説明しましょう。次のようなものが当たります。

空室リスク

 貸せる物件がありながら入居者・使用者がおらず、想定した賃料が入ってこなくなることですね。

賃料下げリスク

 空室を防ぐために賃料を下げないといけなくなることですね。近隣に築浅のライバル物件が出現するなかで経年劣化していく自物件の競争力が低下することは避けられませんし、それこそ大学移転などによる地域の居住需要の減少があれば目を当てられません。賃料を下げれば入ってもらえるならまだマシで、下げても入ってもらえない場合もあります。

物件損傷リスク

 保有する物件が、自然災害や人為的な理由により損傷したとき、保険や入居者の敷金等ではすべて賄えないとなれば、修復のためにオーナーが想定外の費用負担を求められることはあり得ます。

事故物件リスク

 保有する物件や、近くの部屋で死亡事故・事件が起きると、心理的瑕疵が生じて家賃や売却価格で足元を見られることになり、投資の利回りが大きく減少し、赤字のリスクが増します。そうそう発生することでもありませんが、一度発生するとダメージが大きく、保険で何とかなる話でもないので、運を天に任せざるを得ない部分があります。

経年劣化リスク

 自宅用分譲マンションに修繕積立金を払っているのと同じですが、投資用物件も当然経年劣化・自然損耗します。修繕積立金でカバーできるとは限らず、想定外の負担を求められると、投資の利回り計画はぶっ飛んでしまいます。

資産価値減少リスク

 不動産投資を勧誘する人たちは、ローンが終われば資産として残る、というのですが、築古になるにしたがって家賃収入も下がり、物件を売るにしても価格も下がります。一方で、管理費・修繕費だけが増えていく悪循環。ローン完済後に売却しようとしたら二束三文でしか売れず、トータルでもペイしなかった、ということも多いのです。

 これだけのリスク要因があって、かなりの人が失敗(=赤字を出)していると思われる不動産投資。私なら絶対に手を出しません。が、公務員の副業であるかどうかに関係なく、こうしたリスク管理に成功し、投資を黒字にしている人がいるのも事実です。

 単にリスクばかり並べ立てて不動産投資を否定するのもフェアではないので、次回は、成功パターンについても紹介した上で、とてもマネできないよねという観点から、やはり不動産投資はお勧めしないという結論でまとめたいと思います。

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