今朝の日経新聞に、国交省の官僚から写真家に転身した西村尚己氏の記事が掲載されていました。
2021年7月26日、東京体育館(東京・渋谷)で行われた東京五輪の卓球・混合ダブルス決勝。水谷隼、伊藤美誠の両選手が、五輪卓球で日本初となる金メダルに向け、難攻不落の中国ペアを破ろうとしていた。アフロスポーツ所属のフォトグラファー、西村尚己さん(53)はファインダー越しに激闘を見つめた。心に熱さを感じながらも一瞬一瞬のプレーを冷静に切り取る。2週間後、得意のバックハンドを放ち闘志をみなぎらせる
学生時代から撮影に親しみ、プロ写真家になることも夢見ていたものの、大学院卒業後に旧運輸省の技官として就職したそうです。港湾や空港などの運輸インフラ整備の業務に長くかかわってきましたが、スポーツ写真撮影の魅力に取りつかれ、撮影を専門とする会社のカメラマン募集をきっかけに同社の門を叩くことに。しかし、いきなりプロ写真家の見習いとして転職することは断られ、アマチュア写真家として10年近く撮影経験を積むことに。
最終的には、奥さんを説得してプロ写真家への転身を実現しましたが、その際、22年勤めた役所時代の給料は半分になってしまったとのこと。勤続22年のキャリア組なら、年収は1000万円前後だと思いますので、西村さんの場合、写真家になっても400~500万円は稼げていると考えると、大健闘ではないでしょうか。
と言いつつ、実はそもそもお金の問題じゃないんですよね。
西村さんの場合、いきなり異業界に飛び込んでくるんじゃなく、まずはアマチュア写真家として活動してみるよう、転職先の会社の社長が勧めてくれたわけです。無報酬ですが、一種の「週末起業」をやって適性ややる気などを自分でも試すことができたでしょうし、その自信と実績が、奥さんを説得する材料になったことは間違いないのではないでしょうか。