先月(10/19)、驚きのインサイダー取引疑惑のニュースが入ったことをみなさんはご記憶だろうか。
金融庁へ出向中の裁判官(出向に伴い、身分は行政官扱い)が、立場上入手できたTOB関係の資料から、関連銘柄の株取引を行って数十万円以上の利益を上げた疑いが持たれているのだとか。
【読売新聞】金融庁に出向中の裁判官によるインサイダー取引疑惑で、裁判官が今年4月の出向直後から、上場企業に関する未公表情報を基に、毎月複数回にわたり不正な株取引を行っていた疑いのあることがわかった。証券取引等監視委員会は、裁判官が株
この件を受けて、本人は現在金融庁の別の部署に異動しているというが(報道によると秘書課付。事実上の待機ポストなので、「何もするな」=謹慎ではないか?)、もしインサイダー関与が事実ならば、制度上、出向中のため弾劾裁判にはかからないようだが懲戒免職ものだろう。こんな人が裁判官に戻ったら、正義や公正を裁判所に託すことができなくなるからだ。
【読売新聞】 金融庁に出向中の裁判官によるインサイダー取引疑惑で、裁判官が出向前後で取引銘柄を一変させていたことがわかった。出向前は有名企業が中心だったが、出向後は、同庁が未公表情報を基に審査している企業に狙いを絞っていたという。同
さっさと懲戒処分していただきたいものだが、続報を見る限り、刑事事件にもなりそうである。公務員の株式投資自体は違法でも何でもないのだが、やり方が違法だと、株式投資自体が違法だという誤解を生み、合法副業の肩身が狭くなってしまうので、ホント困った話である。
ちなみに、公務員ではないが、株取引のプラットフォームを提供している東京証券取引所の社員が、やはり職務上知り得たTOB情報をもとに親族に株取引を勧め、利益を上げさせていたというインサイダー事件も同時期(10/23)に報道され、こちらも社会を震撼させた。親族に伝えてやらせればバレない、と考えたあたりが一層悪質に思える。
【読売新聞】 東京証券取引所の社員によるインサイダー取引疑惑で、企業の株式公開買い付け(TOB)に関する未公表情報を基に社員から株取引を勧められた親族が、実際に複数回の取引を行い、少なくとも数十万円の利益を得ていたことが関係者への取
当初は、親族の得た利益は数十万円程度だとみられていたが、続報を見ると600万円ともいわれている。
いや、額の多寡は問題ではない。とにかく、一部の人だけが知る情報で、市場を歪める「ズル」をしてはいけないというのが、インサイダー規制の趣旨だから。
東京証券取引所の社員がインサイダー取引に関与したとして証券取引等監視委員会から強制調査を受けた問題で、社員の親族が不正な株取引で600万円超の利益を得た可能性があることが7日、関係者への取材で分かった。社員は未公表のTOB(株式公開買い付け)に関わる企業情報を公表前に親族に伝えたとされる。監視委は9月、金融商品取引法違反(取引推奨)容疑で社員や親族宅などを強制調査した。東京地検特捜部への告発を
件の東証社員も社内異動となっているが、事実上謹慎させた上で懲戒免職は避けられないだろう。
ほんと、困った副業者たちである。