また出た、地方公務員の「地域貢献型」副業解禁拡充報道。いや、我々が期待してるのはそれじゃない

ネット記事だと、昨日の夕方ごろに報じられた話題。私は自宅で日経を紙で取っているので、今日の朝刊1面にデカデカと出たほうで全文を確認した。

記事要旨

総務省は地方公務員の兼業や副業を促す。地方自治体向けの許可基準を示し、営利企業から報酬を得て働くことができると明確にする。現状の原則禁止から緩和し、地域に貢献し課題解決につながる活動を幅広く認める。地方公務員の働き方の自由度を高めて人材確保も目指す。

という文章から始まる記事で、総務省の分科会が基準を検討するという。具体例としては

町おこしや移住者支援などのほか、地域住民の生活維持に欠かせない仕事も認める。例えば過疎地のコンビニでの労働や新聞配達といったケースを想定する。

とのこと。広義のエッセンシャルワークといったところだろうか。

解禁されるのはエッセンシャルワークだけで、自己実現につながる仕事は解禁されない

以前からこのサイトでも、この、地方公務員の副業拡大路線については、次のとおり何度も言及しているが、このサイトの目的(公務員の自由な副業の実現)との関係で言えば、一番肝心な部分、すなわち自分がやりたい(=自己実現につながる)仕事には解禁が拡大されないと思われる。

だって、本件は結局のところ、人手不足が続く地方において、公務員を民間企業、地域の商店や農林水産業の労働力として活用しようという目論見で副業を解禁しようとしている話だからだ(上記の当サイト記事「…解禁されつつあるという傾向は本物か②」を見てほしい)。

今回の日経記事には、「公務員の働き方の自由度を高めて人材確保を目指す」とあり、今回の兼業範囲拡大の動きの「背景に公務員のなり手不足がある」とも指摘している。

確かに、副業が強く規制されていて働き方の自由度が低く、それゆえに公務員人気が落ちているというのは、一面の真実だと思う。ただ、今回の対応は、ちょっとズレているような気がしなくもない。なぜなら、

家業があり、その手伝いが必要だから、地元の若者が、家業との兼業が難しい地元の公務員になろうとしない⇒だから地方自治体が人材難

というロジックだけで、公務員の魅力低下を説明しきれるかが疑問だからだ。

私が思うに、自己実現につながるような副業(クリエイティブ関係など、自分のスキルを活かしたビジネス…要するに何らかの小遣い稼ぎ)が現に厳しく規制され、たとえ今後解禁されても、副業したら職場で後ろ指を差されるような雰囲気の役所勤めが息苦しいから、公務員のなり手が減っているのではないのか。

少子化対策と同じで、ズレてる取組

少子化対策と称して、国も地方自治体が(すでに子どもを設けている)子育て世帯向けの対策ばかりしているという取組のズレがあることは有名だが(一番必要なのは、出産適齢世代の非婚化・少婚化対策だろう)、上記のような公務員の人材対策にも同じズレを感じざるを得ない。

地域貢献のエッセンシャルワークへの副業解禁も確かに必要だろう。しかしそれだけでは不十分だ。

多少年収が下がってもいいから、雇用の安定を維持しつつ、労働時間も抑えた上で、地域貢献などと世間に説明しやすいタガをはめずに、信用失墜に当たるような風営法業種や守秘義務違反となる業務でない限り副業を認める、くらいでないと、公務員の魅力は向上しない。

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