副業解禁の流れの中、副業規制が厳しくなって辞めざるを得なくなった人の例。

国が、地方公務員の兼業規制を緩めて、人材や能力を世間で活用してもらおうという流れができてきているという話は、ニュースにもなっているし、このサイトでも過去に取り上げた通りです。

ところが、逆のケースもあるみたいなんですね。

公務員の兼業規制のハードルを、「水位」に例えたとして。ある池(自治体)の水位が、現にかなり低かった(兼業規制が緩かった)とします。そこへ、国が示した地方公務員の兼業規制緩和によって、国の指針では、かなり高い水位から中くらいの水位への変化が起きたとします。

そうなったとき、中くらいの水位より低かった、その池(自治体)の水位はどうなるのでしょうか。変わらないのか、それとも中くらいに上がってしまうのか。

こちらのお方。西日本の某県庁所在市役所の職員。noteでは実名を出していないようなので、Nさんとしておきますが(ジチタイワークスとかみるとライフワークの方で肩書付きで登場されてるので別に隠すこともないかと思いますが)、この方の勤務先はもともと兼業規制が緩くて、結構バリバリ余技で活躍されてたようです。

上記noteから引用します。

私の市で令和5年度の営利企業従事許可がされた件数は、120件です。そのうち3件は私です。多くは不動産(アパートの家賃収入等)だと思われます。

(中略)

昨年度から、これまで許可していたものを見直し、国家公務員を参考に、許可基準を厳しくしようとする動きが人事課内部で出ていました。

明らかに時代に逆行している!人材が逃げていくよ!と私は強く訴えました。これは、市としての組織の見解か?(そんなことは絶対に無いはず!)
担当レベルの考え方ではないか?(そうに決まっている!)

きっと、市全体の考え方ではなく、今の人事課だけの狭い考え方だと思いましたがパラレルキャリアのどちらかを選ぶことを、事実上、迫られる状況でした。

人事課は何を考えたんでしょうね。邪推すると、ウチの役所は規制が緩すぎた。文句言われるの嫌だから総務省通知レベルに合わせとこう、てなところじゃないでしょうか。

総務省の示した基準って、結局は地方が人手不足だから、公務員も余った時間に体を使って地域貢献する副業はOK、ということなんですね(実際にはそれは最狭義の解釈だと思われ、もう少し広げても大丈夫だと思うが、これを守っていれば文句は言われない)。

で、この方の勤務先の担当者はそれに合わせようとしてしまった。

残念なことですね。Nさんは、ライフワーク無き人生はあり得ないと、退職を決断し、R7年度末退職みたいです。それを5月に言わないといけない職場。なかなかですねえ。

結局、公務員の兼業規制って、安定してるくせに副業までするなんてズルいとか、民間と癒着が生じるのではないかとか、役所の外から文句を言われないように規制があるんだ、的な話がよく出るんですけど、私は違うと思っています。

本当の敵は中にいて、「余技無き平凡な職員たちからの嫉妬(反乱?)」を恐れて、相続不動産経営とか、やむを得ない程度までしか副業解禁できないんじゃないかと思ってます。

地元の人手不足に対応することも、やむを得ないと理解を得られるが、自己実現のための副業はダメ、という。

何とも人権侵害職場だよ!そんな職場で市民の安全や快適な生活を守っていけるのか、と一喝してやりたいですね。

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